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2018年5月

2018/05/31

職人

「自分のために走れば、総合でもいい位置にいる選手なんですけどね」

ツアー・オブ・ジャパン第6ステージを終えた後にやって来た次の宿泊地。その部屋でそれぞれの作業をしている時に清水裕輔監督がボソッと呟いた。

そう、自分も同じことを思っていた。特に、開幕から好調を維持している今シーズンなら尚更だ。

それでも、チーム全体を見渡し、自分のリザルトを犠牲にしても必要な役割を全うする。

それが、鈴木譲という選手だ。


雨澤毅明の総合上位進出が潰えて迎えた第7ステージ。チームの目標は鈴木譲の山岳賞ジャージ獲得に絞られた。

序盤から続くアタック合戦。

その全てに反応し、きっちりと有力選手がそろう逃げ集団に入った鈴木譲は、山岳ポイントを2度先頭で通過して見事に山岳賞ジャージを獲得した。


自分が主役になれば、きっちりと結果を残す勝負強さを見せる鈴木譲。

だが、この山岳賞ジャージ獲得も、第5ステージで逃げに乗って山岳ポイントを獲得していなければ実現しなかった。

その逃げも、もとを辿れば雨澤にとって少しでも有利な状況を作り出そうと動いたからこそ。いつだってチームのために動く職人だからこその結果だ。

山岳賞ジャージはそんな職人のために用意された、ほんの少しのご褒美だったのかもしれない。

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©️Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY

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2018/05/17

完全復活を果たした不死鳥

「来たぁ〜!増田!」

解説の栗村修氏の絶叫とともにホームストレートに姿を現したのは、再び翼を広げた不死鳥だった。

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ここに至るまでに、どれだけの苦悩の時間を彼が過ごしてきたのか。
それは、本人のみにしか分からないし、きっと誰も理解できない。

だが、その苦悩を乗り越えてフィニッシュする姿に多くの人が感動し、生きる勇気をもらっているというのは紛れもない事実。

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宇都宮ブリッツェンの不死鳥、増田成幸の伝説はこれからも続いていく。


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2018/05/03

真の強者になるために

4月28・29日に開催されたJプロツアー第5戦、第6戦「東日本ロードクラシック」。

この2戦で1番チーム力の高さを見せたチームは、間違いなく宇都宮ブリッツェンだった。

しかしこの2日間、宇都宮ブリッツェンから勝者は現れなかった。

第6戦の後、ファン・サポーターを前にキャプテンの増田が発した言葉。
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「ウチのチームが1番強かった。でも、強いから勝てる訳ではないのがレース」
その言葉が1番しっくりくる2日間だった。

開幕戦から好調をキープする宇都宮ブリッツェンは、今現在、Jプロツアーのプロトンの中で最もリスペクトを受けているチームであるのは間違いないだろう。

宇都宮ブリッツェンの動きは常に注目され、マークされ、利用される。
そんな状況の中でもきっちり勝利を掴み獲るのが、本当に強いチームだ。

そんな「真の強者」になることを、宇都宮ブリッツェンは求められている。




個人的にではあるが、現状で課題とすべきは小集団ゴールスプリントでの連携ではないかと感じている。

クリテリウムや今季開幕戦の沖縄のようにきっちりと隊列が組めた時、宇都宮ブリッツェンは抜群の強さを見せている。

また、サバイバルな展開に持ち込んだ中からの独走勝利も、宇都宮ブリッツェンの勝ちパターンのひとつとして認識されているだろう。

しかし、ある程度人数が絞られた状態の小集団スプリントとなると、勝率はグッと下がっている印象を受ける。

それも、他チームと比べて数的有利な状況であっても、だ。

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数的有利な状況をきっちりと活かすには選手間の連携が必要だし、そのためにはコミュニケーションが重要だ。

今季は新たに、鈴木龍という素晴らしい才能が加わった。その中でどう連携するのが良いかという最適解を、できるだけ早い段階で見つけることを願うばかりだ。

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