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2017/08/24

元気にしています。



ブログ更新をお休みさせていただいておりましたが、ラヴニール中の落車のことで皆様に心配をおかけしてしまっていましたので、このブログで報告させて頂きます。



8月21日、ツール・ド・ラヴニール第4ステージ。

前日までのブルターニュ地方でのレースとは少しコースの性質が変わったレースになりました。



スタートして1時間も経たない頃。

アタック合戦の最中、町を通過する区間。

欧州のレースでは当たり前ですが、特に町を通過する際は、速度制限用のバンプやロータリーなどの中央分離帯が突然現れたりします。

当然ながら、安全確保のため主要な危険ポイントには立哨員が立っているのですが、狭い区間などでは誰もいなかったりします。

僕らもそれを分かって注意して走っているのですが、前を走っていた選手が障害物を避けるため突然進路を変えたりします。

大きい選手の後ろにいれば前の状況は分かりません。

高い速度域の中でそれをやられると避けることができないこともあります。


今回の僕はまさにそのパターンでした。

町を抜ける道の小さなロータリーを過ぎた直後。
縁石程度の高さの中央分離帯がありました。

前の選手がそれを避けたと分かった瞬間にはもう遅く、だけど何とかそれを避けようとしたはずでした。

でも次の瞬間には頭に激しい衝撃を感じて、転倒していました。


落車の原因はわかりますが、どうやって転んだかは自分でもよく分かりません。

ただ、擦過傷は肩と肘の僅かな面積で、ヘルメットの右後方が大きく潰れていた事から、右後頭部から落ちたのだと、後で分かりました。



落車直後は股間部と頭に激しい痛みを感じていました。

車から降りてきた浅田監督に

「大丈夫か?辞めとくか?」

と聞かれましたが、ここはラヴニール。

そう簡単に降りるわけにはいきません。


新しいヘルメットと、スペアバイクを下ろしてもらい、飛んでいったサングラスを拾ってきてもらって再スタートを切りました。

近くの沿道にいた観客も声援で後押ししてくれる。



集団とはだいぶ離れてしまっていましたが、ちょうどアタックも決まり、ペースが落ちていたので、復帰まではそれほど時間はかかりませんでした。


集団復帰してからチームメイトに声をかけ、今日のプランの変更などを話しました。


ペースは落ちていて、集団内はリラックスモードでしたが、ペース以上に僕はキツイ感覚でした。

左目の視界が波打つように見えたり、それが治ったと思ったら今度は右の側頭部が痛んできたり…

肘も打っていてダンシングは痛いし。


でもこのペースなら終盤で遅れてもリタイアは回避できそうだと、このステージを乗り切る事を自分に言い聞かせて走っていました。



視界が変だったこともあって、集団の内側に入るのは少し怖くて、常に後方の端で走るようにしていました。

しかし時間が経つにつれ頭痛は治る気配が無く、むしろ痛みが増してきてしまい、ただ走っているだけでもキツイ状況になりました。


補給地点を通過する辺り、ちょうど上りの区間でしたが、もうキツすぎてジワジワと遅れだしてしまいます。

チームカーに痛み止めがあればそれを貰って復帰しようと思い、遅れながらチームカーに追いつかれるのを待っていました。


チームカーが隣に来たので
頭が痛いので痛み止めか何かはありますか?

と聞きましたが浅田監督はこれを聞いて、

もうやめておけ

と、そう言いました。




Photo:JCF


浅田監督がコミッセールに僕のリタイアを伝える。

ちょうど補給所にはチームドクターがいたので、先生に容態の確認をしてもらう。

大会の救急隊とも話をして、その段階では搬送はせず、とりあえずチームの車に乗ってゴール地点まで向かうことに。


車に乗って横になった瞬間から激しく頭が痛んだ。

痛み止めの薬ももらい、冷たいタオルで冷やしていたが治らず。

ゴール地点について、また先生と話をしていると、痛みの箇所が出血のリスクの高い場所だったらしく、その場で救急車に乗り換えて近くの病院に搬送されることに。




そこからは苦痛だった。


首を固定され、搬送の為に全身を硬いボードに張り付けられ、身動きも取れない状況に。

現地救急隊からは動かないようにと念を押される。
そもそも動ける状態ではないのたが。


初のフランス救急車に揺られ、病院に着いてからは、よく分からないフランス語訛りの英語を必死で聞き取りながら自分の痛みを説明。


説明したはいいが、先生はその後どこかへ行ってしまい、それから2時間は処置室のような場所にベッドに張り付けられられたまま放置され、身動きの取れないまま待つことしかできなかった。

付き添ってくれていたチームドクターもどうすることもできなくて、でも僕が退屈しないように話をしてくれていた。


2時間かあるいはそれ以上経った後、ようやく背中の硬いボードから解放され、部屋を出ることができた。

でも未だに首は固定されているし、ベッドに仰向けに寝ている状況に変わりはない。

まだ動いてはいけないようだ。

部屋を出れたと思いきや、ただ廊下に出されただけでそこでもまた放置され、そこからまた2時間近く待たされる。

CTスキャンをするだけなのにこんなに待たされるとは…


救急車に乗ってから今に至るまで空と天井しか見えていない。

自分がどんな場所にいるのかもよく分からない状況が、レースよりもはるかに長い時間続いたのは苦痛だった。


ようやくCTスキャンの撮影を終え、医師による診断が始まる。

病院に来てくれていた浅田監督と少し話をしながら待っていると、医師が来て、撮影されたものからは異常は見られなかったと告げられる。

僕の首の固定も解除され、すっかり夕食時を過ぎていたことに気を利かせてくれた看護師が軽食を持って来てくれた。


大事にならず、入院にもならずに済んで良かった。

その日は暗くなってから、大会の宿泊先に帰ることができました。



帰ってから久しぶりにトイレに行くと、血尿と共に激痛が。


そういえば転けた時に股間部が痛かったのを思い出す。

しかしこればかりはどうすることもできないので我慢するしかない。


外傷が少ない変わり、見えないところへのダメージは大きかったようだ。







長く書いてしまいましたが、このような経緯で今に至ります。

チームドクターによると、脳を強く打った場合、特に僕の場合は今年の春にも一度打っていることもあり、セカンドインパクトのリスクが高かったという。

今回はそれにはならなかったにしろ、またすぐにレースを走って万が一落車でもして頭を打ってしまったら、それこそ大変なことになってしまうから前線復帰はよく考えた方がいいとのこと。


なのでこのラヴニール期間中はチームと行動を共にしながら、チームドクターに経過を診てもらっています。

今はむち打ちの首の痛みと、頭の鈍痛程度で落ち着いているので、今後すぐに軽い練習から再開しようと思っています。





最後のラヴニールをこのような形で去ることになったのはとても悔しいです。

このレースに限っては、もう次のチャンスなどありません。

去年あれほど再挑戦に燃えていたのにな。

去年は唯一の完走者で、今年は唯一の脱落者かな…



起きてしまったことをいつまでも引きずっても仕方ないので、まずはこの先にあるチャンスをこぼさないようにしっかり治してトレーニングすることにします。


沢山の応援ありがとうございました!


日本チームの戦いはまだ終わっていないので、引き続き応援よろしくお願い致します!






メルスィ オルヴォワール

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コメント

Rei

God Knows who you are.
you can try again next.
It isnt the end. never.

you are a sprinter great.

We are waiting your winnning form!

ALLEZ! Mr.Canuret!

投稿: jose | 2017/08/27 22:58

Web-sitesで、4ステージにDNFになってしまったことは知っていました。
将来、最も有望な選手の1人である玲選手です。体が大切です。大事に至らなそうで、まずは良かった。
心配してました。元気で良かった。体を直して、次ですネ。

投稿: 山本 | 2017/08/25 23:26

お大事に!

投稿: halu | 2017/08/25 13:11

大変でしたね😢否、今も大変かもですよ!?
頭部の検査結果は大丈夫のようですが、股間を強打して、排尿時に激痛と血尿とは……一度、骨盤が骨折していないか調べる必要があると思います!将来の為、是非おすすめします!!
何事も無いことを祈ります❗

投稿: いがさん | 2017/08/24 21:16

それはそうと、浅田さん現役から退いてだいぶ経つけどかっこいいわね(ほらきた)。さすが宇都宮の世界選で先頭を牽いた人よね!ほら、向こうの人とかって、選手やめるとデブデブになっちゃうじゃん(お前人のこと言えんのかよ)?こういう人が監督ならみなさんもやりがいがあるでしょ?ああ~、あたしももう少し若ければ(お前何考えとるねん)
レースのほうは「自転車選手ブログ界の総合リーダー(爆)」岡ちゃんが何かしでかしそうね!おい毛唐ども、気をつけろよ(おいおい)!

投稿: 野兎マリアンヌ | 2017/08/24 20:59

痛いのに、つらいのに、ファンを安心させるためのブログアップ😭
ありがとうございます (T ^ T) くれぐれもお大事にして下さいまし❣️
もう一度、本当にありがとう‼️辛かったね👵💧

投稿: あばぁば | 2017/08/24 20:01

こんなに潰れたヘルメット見たの初めて!ぞっとしたわ。改めてロードレースって過酷な競技だって再認識しました。でもOGKヘルメットの優秀さが立証されたかも?日本人の頭には日本のメーカーのヘルメットが合うのよね!あたしも愛用してます(ステマじゃないわよ!)

投稿: 野兎マリアンヌ | 2017/08/24 19:11

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